2013年8月2日金曜日

「なんでコレ?!」な邦題を考える

2013年8月2日の今日、驚くニュースが発表されたので、今日はそれについて。

日本一最悪な邦題がタイトル変更。フォックスが公式謝罪
2006年にDVD発売され、一部の映画ファンから熱い支持を集めるも、あまりにもヒドい邦題で発売されたため“日本一最悪な邦題”と称されてきた映画『バス男』について発売元の20世紀フォックスホームエンターテイメントジャパンが公式謝罪し、オリジナルタイトルの『ナポレオン・ダイナマイト』として10月に再発売されることが決定した。  (ぴあ映画生活より引用)
問題の作品がこれ↓↓↓


20世紀FOXホームエンターテインメントはツイッターの公式アカウントでも

と、謝罪。これにはびっくりです。

『ナポレオン・ダイナマイト』はあの時期大ブレイクした皆さんご存じの『電車男』の時期と同じだったため
このようなタイトルが付けられましてしまいましたが、このような例はこの作品だけではありません。

たくさんの映画を観ていると、本編はなかなか面白いのに今回のような時流に乗った邦題や、
時流云々など関係なく「なんでこんなタイトルに…」とがっかりするタイトルをつけられた作品も少なくないので、今回のニュースには驚きました。
新しい風の予感です。

今回はそんな新しい風を吹き込んでくれたこのニュースに乗っかって、
「その邦題はどうなのよ」な映画を考えてみることにします。


『続・激突!カージャック』(1974・アメリカ)…[原]『The Sugarland Express』
言わずと知れたスピルバーグ監督の『激突!』のヒットを受け、邦題が付けられましたが、この作品は映画『激突!』とは全く関係のない作品。
私は昔「Sugarland's Lands」というサイトを運営していましたが、そのサイト名はこの映画から名付けました。

原題は『The Sugarland Express』、福祉局によって里子に出された子供を奪還するために、脱走させた夫と妻がシュガーランドへと向かう、実話をもとに作られたロードムービーです。

視覚的な映画を撮らせたら神様!のスピルバーグの感性が生きた作品です。
主演のゴールディ・ホーンもしたたかで愚かでチャーミング。刑事役のベン・ジョンソンも素敵です。

『激突』なんてタイトルをつけられてしまったために、前作ようなサスペンスを期待した人の期待を見事に裏切ることになってしまい、あまり評価されなかった悲運の秀作。
もう一度、きちんとしたタイトルに改めて欲しいです。ホント。

『素顔のままで』(1996・アメリカ)…[原]『Striptease』
公開時に「ひどい邦題…」と思ったのを覚えていたので。
デミ・ムーアがストリッパー役ということで当時話題になった作品です。
デミの7歳になる実娘ルーマー・ウィリスが、彼女の娘役でスクリーンデビューしたのもこの作品。
ゴールデン・ラズベリー賞で最低女優、最低監督、最低脚本などあまたの「最低」を獲得した映画ですが、コメディなのにロマンス風が漂うこの邦題はさすがに無いと思う…。
最初タイトル見た時ハーレクイーン・ロマンスかと思ったわ。


『ぼくのエリ 200歳の少女』(2008・スウェーデン)…[原:Let the Right One In]
『ぼくのエリ』で止めとけば、とっても素敵な邦題だったのに、なぜ?…なぜ~!?
翌年クロエ・グレース・モレッツが主演で『モールス』(2011・米[原:Let Me In])としてリメイクが出ました。
私はクロエ・グレース・モレッツがとても好きだけど、これについては『ぼくのエリ』の方が断然好き。
エリを演じたリーナ・レアンデションが、人間離れしているというか、本当に種族を超越した異質な感じですごく良いのです。
日本公開にあたり、肝心の部分にボカシを入れられてしまい、物語の持つ意味合いが伝わりづらくなってしまいました。とても残念です。
この部分はサブタイトルに凄く関係する部分であり、本編を見ずにサブタイトルをつけたんじゃないかと思いたくなるひど酷いサブタイトル。こちらは『ぼくのエリ』というタイトルだけでモザイクなしで再発売してほしいです。そしたら即買います。

『エンジェル・ウォーズ』(2011・米)…[原:Sucker Punch]
スタイリッシュでちょっと切なくて、とてもとても好きな映画だけど、世界各地の評価は散々。それも半分邦題のせいだと言いたい程の勢いです。正義に立ち向かい地球を救うセクシーガールたちの物語ではないです。観客が不意打ちを食らう感じからも、原題[Sucker Punch]で良かったなあ。
あ、劇中に使われた「Sweet Dreams」でも良かったかも。





『26世紀少年』(2006・米)…[原:IDIOCRACY]
『バス男』同様、「時代に便乗して、こんな邦題をつけてしまい…」な、作品。
社会風刺コメディで面白いだけに残念。








『悪魔と天使』(2006・米)…[原:The Visitation]
同じく便乗タイトル、『ダヴィンチ・コード』の2作目『天使と悪魔』から。
エドワード・ファーロング主演のオカルト映画。パッケージまでそっくり…ひどいや(笑)。
『天使VS悪魔』っていうのもありましたっけ…(笑)。
ちなみに↓↓『天使と悪魔』、『天使VS悪魔』のパッケージ…。






 


『最高の人生の見つけ方』(2008・米)…[原:The Bucket List]
主演のジャック・ニコルソン本人も来日時、この邦題になんとなく難色を示した様子。人生の教訓、的な物語というより謳歌の物語だと思うので「棺桶に入る前にやっておくことリスト」的な原題の方が合ってると思う。邦題は「感動ものだよ!!」って声高に叫んでる感じ。それほど酷い、というほどではないのかもしれないけれど、あざといタイトル。
そういえば邦題って「~のしかた」「~の方法」とかハウツー系タイトルが割と多い。





邦題が良くて売れる映画もあるように、邦題が悪くて見る気にもならない、あるいは邦題とは内容が違うベクトルへ興味を向かせてしまい、かえって評価を低くしてしまうという映画があるのは事実。
そういう映画を見ると、本当にもったいないと思います。

B級映画などには特に「とんでもタイトル」が多いのですが、
「とんでも映画」に「とんでもタイトル」をつけてどうにか売ろうという場合が殆どです。
それでも続編でもないのに続編のようなタイトルをつけられていたりと、かなりややこしい。

『沈黙の戦艦』(1992・アメリカ)…[原:UNDER SIEGE]には、ちゃんとした続編[UNDER SIEGE 2]があるのに、邦題は驚いた事に『暴走特急』(1995・アメリカ)。
全然関係無い映画には『沈黙の要塞』(1994・アメリカ)とか、『沈黙の断崖』(1997・アメリカ)とか…「沈黙」ついてるのに…
どうしてこうなった!?






あとややこしいのが『ファイナル・ディスティネーション』シリーズ。


1作目『ファイナル・デスティネーション』(2000・アメリカ)… [原:FINAL DESTINATION]舞台は飛行機
2作目『デッドコースター』(2003・アメリカ)…[原:FINAL DESTINATION 2]舞台は高速道路
3作目『ファイナル・デッドコースター』(2005・アメリカ)… [原:FINAL DESTINATION 3]舞台は遊園地



4作目『ファイナル・デッドサーキット 3D』(2009・アメリカ)…[原:THE FINAL DESTINATION]舞台はサーキット場
5作目『ファイナル・デッドブリッジ』(2011・アメリカ)…[原:FINAL DESTINATION5]舞台は吊り橋
あちゃ~…って感じ。ごっちゃごちゃ。

全く関係ないホラー映画で『ファイナル・デス・ゲーム』(2009・スペイン/アメリカ)…[原:Open Graves]って言うのがあるけど、これはホラー版『ジュンマジ』みたいな感じ。
どうせなら『ダーク・ジュマンジ』とかつけとけば良かったのに。
『ファイナル・デス・メッセージ』(2010・アメリカ)なんてのもあったっけ。ややこしいんじゃ。
 
他に『ファイナル・デッド・コール』『ファイナル・デッド・パーティー』『ファイナル・デッド・スクール』
『ファイナル・デッド』『ファイナル・デッド・オペレーション』なんてのも・・・だけどもう割愛(笑)!!
まあ『ファイナルデッド』な邦題については、いずれまとめて書こうと思っています。

他にも
『ミッション:8ミニッツ』(2011・アメリカ)…[原:Souce Code]
『団塊ボーイズ』(2007・アメリカ)…[原:Wild Hogs]
『ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!』(1964・アメリカ/イギリス)…[原:A Hard Day's Night]
とかキリがないけど…とりあえず今日はここまで。。。